音源の中だけで演奏活動ができる多重録音による「独りチェロアンサンブル」・・・・

 

孤独な作業ながらも、様々な曲に取り組んでそのレパートリーは増えつつあります。

教会のオンライン礼拝の前奏か後奏に使われるため、3分前後で自ら編曲をして、礼拝にふさわしい曲を選びます。

 

制限された中でも、さらなる新しい世界を求めて。

 

 

 

オンライン礼拝、動画に関しては日本キリスト教団高幡教会のホームページをご覧ください!!

https://takahata-church.org

または

日本キリスト教団 高幡教会<公式> You Tube チャンネルまで

https://www.youtube.com/channel/UCRmgchRfyAdVV3K9PXjdyOQ/featured

 

 

 

このコロナ禍の中、新しい試みとして音楽の録音をして音源を提供するWorkを始めました。

2020.5月からの日本キリスト教団高幡教会の紹介動画や礼拝の前奏、後奏などに音源を使ってもらってます。

毎週日曜日のオンライン礼拝に合わせて新しい音楽をお届けしています。

背景の映像は牧師先生のイメージで音楽に合ったものを選んでくださっています。

 


2021年4月アップの録音

2021/4/25

No.52 讃美歌シリーズ34

アメイジング・グレイス

チェロ五重奏[Arr.D.M.Sampsonより]

(讃美歌第2篇167番「われをもすくいし」)

 

 

アメイジング・グレイスほど世界中で愛されている賛美歌はないと言っていいほどの有名な曲です。この有名な歌詞はジョン・ニュートンという牧師により1722年に作られました。旋律の作曲者ははっきりとは分かっていませんが、アメリカ南部のアイルランド移民の農場労働者が歌っていた民謡のメロディーとも言われています。ニュートンは黒人奴隷商人から牧師になった人物ですが、彼の回心の気持ちが歌詞に込められています。アメリカの歴史の中で常に虐げられてきた黒人の人々の絶望的な境遇の中で、この歌はキリスト教の信仰と共に未来への希望の歌として歌い継がれてきました。

 

2021/4/18 

No.51 讃美歌シリーズ33

C.M.ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲より冒頭

チェロ六重奏

(賛美歌285番「主よ、み手もて」、

賛美歌365番「わが主イエスよ、愛のみ手に」

 

C.M.ウェーバーはドイツ・ロマン派を代表する作曲家の1人です。代表作である歌劇「魔弾の射手」の序曲の冒頭で4本のホルンによって演奏されるこの旋律は、日本でもすでに明治時代に「秋の夜半」という曲名で中学唱歌として入ってきました。この旋律を最初に賛美歌にしたのは19世紀のスコットランドの賛美歌作家H.ボナーですが、その歌詞からの日本語対訳歌詞として賛美歌285番「主よ、み手もて ひかせたまえ」が生まれました。ウェーバー は晩年ロンドンでオペラの才能を認められ招聘されたものの、渡英したままその地で亡くなっています。ですがそのおかげでボナーにより賛美歌が生まれ、この名旋律がずっと愛され続けるようになったのだと思います。A.L.Peachのオルガンのための編曲をベースに楽譜を作りました。

 


2021/4/11  

No.50 F.メンデルスゾーン 無言歌 作品 62-1  「5月の風」  

チェロとピアノ ピアノ:蓼沼明子

 

無言歌の曲集の中で「春の歌」と同じ作品62のセットに入っているこの曲は「5月の風」というタイトルが付けられています。このタイトルもメンデルスゾーン自身が付けたものではありませんが、まさに5月の新緑の風が吹く風景が思い浮かぶような流れるメロディーが魅力です。このピアノ曲集の多くの曲をチェロとピアノ用に編曲したチェリスト、グリュッツマッヒャーによる版を元に演奏しています。

 

2021/4/4  復活日(イースター)

No.49 F.メンデルスゾーン 無言歌 作品 62-6 「春の歌」

チェロとピアノ ピアノ:蓼沼明子

F.メンデルスゾーンが生涯に渡り書き続けた一連のピアノ作品集が「無言歌集」です。6曲のセットが8巻まであり合計48曲が生前に出版されました。無言歌の原題はドイツ語でLieder ohne Worte”(言葉のない歌)です。器楽(ピアノ)のためのさまざまな性格を持った短い小品集となっていて、出版時には全ての作品に表題が付けられました。その表題の多くがメンデルスゾーン自身の命名ではなく、曲想から思い浮かべられた出版社によるものです。この無言歌集の中でも最もよく知られた作品がこの「春の歌」です。草木の芽が出て花が咲く春の朗らかな曲想の名曲です。

 


2021年3月アップの録音

2021/3/28 棕櫚の主日

No.48  J.S.バッハ  マタイ受難曲 BWV244 より

 第39曲  アリア「憐れみ給え、わが神よ」

チェロとピアノ(Arr.Philipp Roth)

チェロ 高群輝夫 ピアノ 蓼沼明子

 

 

 

キリスト教会暦で「棕櫚の主日」と言われる受難週の始まりの聖日です。

J.S.バッハの受難節の名曲「マタイ受難曲」のアリアの中でも最も有名で心に残る曲の1つが「憐れみ給え、わが神よ(Erbarme dich)」です。

このアリアはアルトの独唱によって歌われ、オーケストラではヴァイオリンの独奏により伴奏します。今回録音したP.Rothの編曲では、アルト独唱部分をチェロで、オーケストラの部分をピアノで演奏するようになっています。

2021/3/21  受難節第5主日

No.47  賛美歌シリーズ32

J.S.バッハ ヨハネ受難曲より 

第5曲 コラール「あなたの意志が行われますように、主なる神よ」

J.S.バッハ コラール前奏曲「天にいますわれらの父よ」 BWV 737

チェロ五重奏(古楽器)

(讃美歌2編94番「天にます み父よ」)

 

J.S.バッハの受難曲のもう1つの傑作「ヨハネ受難曲」の中で2番目に登場する印象的なこのコラール(Dein Will Gescheh,Herr Gott,zugleich Auf Erden wie im Himmelreich) は、M.ルターが作詞をしているものです。旋律の作曲者は不明ですが、ルターが自らの歌詞に合わせて中世の聖歌から編曲されたと言われています。このルターの歌詞は新約聖書に出てくる「主の祈り」がベースになっています。J.S.バッハはこのコラール旋律で数多くのオルガン曲やカンタータも作曲して用いています。今回はその中からのコラール前奏曲「天にいます我らの父よ(Vater unser im Himmelreich)」BWV737をチェロ五重奏で録音しています。

 


2021/3/14  受難節第4主日

No.46  賛美歌シリーズ31

J.S.バッハ マタイ受難曲より

第3曲 コラール「最愛のイエスよ、汝いかなる罪を犯し」

J.S.バッハ コラール前奏曲「最愛のイエスよ、汝いかなる罪を犯し」 BWV1093

チェロ五重奏(古楽器)

(賛美歌21  313番「愛するイェス」原曲 J.クリューガーのコラール)

 

J.S.バッハの受難節の名曲「マタイ受難曲」の第3曲のコラール「心より慕いまつるイエスよ、汝いかなる罪を犯し(Herzliebster Jesu, was hast du verbrochen)」も、同じ旋律のコラールがJ.ヘルマンによる歌詞の別の節により、合計3回(第3.19.46曲)登場します。コラール旋律の原曲は賛美歌作曲家ヨハン・クリューガーですが、J.S.バッハはクリューガーのコラールを大変気に入っていました。教団の賛美歌集(1954年版)にも7曲ものクリューガーの賛美歌が入っていますが、この「愛するイェス」は1954年版にはなく、新しい”賛美歌21(1997年版)”の方に入っています。それから続けてもう1曲、このコラールを使って書かれたオルガン前奏曲BWV1093をチェロ五重奏で録音しました。この曲は4声で書かれていますが、コラール旋律のパートだけ強調するためにオクターヴで重ねて五重奏にして録音しています。

 

2021/3/7  受難節第3主日

No.45 賛美歌シリーズ30

J.S.バッハ マタイ受難曲より

第10曲 コラール「私です、私こそ償うべき者です」 

J.S.バッハ コラール前奏曲「今すべての森、静かなり」BWV756  

チェロ四重奏(古楽器)

(讃美歌41番「草木も人も 眠りに落ちて」原曲 H.イザークのコラール)

 

受難節のために書かれた宗教曲の名作J.S.バッハ「マタイ受難曲」の中には、先週録音した受難コラールの他にも沢山のコラールの名曲が入っています。第10曲のコラール「私です、私こそ償うべき者です(Ich bin's, ich sollte büßen)」の旋律は、違う歌詞で(第37曲)歌われるだけでなく、もう1つの名作「ヨハネ受難曲」や他のカンタータの中でも編曲や歌詞を変えて使われています。このコラール旋律の原曲は、16世紀の作曲家ハインリヒ・イザークの「インスブルックよ、さらば」という世俗曲です。後にまず「おお世よ、われは去らねばならぬ(O Welt, ich muß dich lassen)」という歌詞が付けられ、ドイツ語のコラールとして広まりました。J.S.バッハはこの旋律を用いて「今すべての森、静かなり(Nun ruhen alle Walder)」というオルガンのためのコラール前奏曲も書いていますが、今回はこの曲をチェロ四重奏で録音しました。

 


2021年2月アップの録音

2021/2/28 受難節第2主日

No.44 賛美歌シリーズ29

J.パッヘルベル コラール前奏曲「血しおしたたる主のみかしら」

チェロ四重奏(古楽器)

(賛美歌136「血しおしたたる」原曲 H.ハスラー  受難コラール)

 

キリスト教の教会暦では復活祭の前日(今年は4月3日)までを「受難節」と呼び、キリストの苦難と十字架の死を記念する期間です。受難節の讃美歌の代名詞と言えるのがこの「血しおしたたる」です。J.S.バッハの名曲「マタイ受難曲」の中では4回このコラールが歌われるため、とても有名な旋律となりました。ですが旋律の作曲者はもともとH.L.ハスラーという作曲家で、元来は恋の歌だったようです。ルター以後最も活躍したドイツ語の讃美歌作者P.ゲルハルトによって受難コラールに生まれ変わり、ドイツの多くの作曲家により用いられれるようになりました。「パッヘルベルのカノン」で知られるヨハン・パッヘルベルはJ.S.バッハの先輩に当たるオルガニストで作曲家です。多くの宗教曲、オルガン曲を残しています。オルガンのためのコラール前奏曲をチェロ四重奏で録音しました。

 

2021/2/21 

No.43 賛美歌シリーズ28

H.R.ビショップ Home,Sweet Home(埴生の宿)

チェロ五重奏 [Arr.D.Buck]

(賛美歌2編147番「こがねの城を経めぐるとも」

148番「父なる神の さずけましし」)

日本では”埴生の宿”という曲名でよく知られたこの名旋律の原曲「Home,Sweet Home」は、イギリスの作曲家ヘンリ・ビショップのオペラの歌でした。日本には明治時代の初期に今の中学校の教科書である「中等唱歌集」に入れられ、”埴生の宿もわが宿”という歌詞で広く知れ渡りました。讃美歌として使われることとなった日本語の歌詞にもいくつかの版がありますが、教団の讃美歌集には由木康

(2-147番)と岩村信二(2-148番)の2種類の歌詞が載っています。

 


2021/2/14

No.42 賛美歌シリーズ27

J.シベリウス 交響詩「フィンランディア」より 讃歌

チェロ七重奏

(賛美歌298番「やすかれわがこころよ」)

 

 

20世紀初頭に活躍した北欧フィンランド最大の作曲家がJ.シベリウスですが、彼の最もよく知られた作品が交響詩「フィンランディア」です。シベリウスはドイツで伝統的な作曲を学びながらも、北欧の民俗的な要素を作品に取り入れて独自の作風を作り上げました。交響詩「フィンランディア」はオーケストラのための曲ですが、当初フィンランドの愛国心を目覚めさせる歴史的な劇音楽の一部として作曲されました。この曲の旋律部分に歌詞を付け合唱で歌えるようにしたものがフィンランディア賛歌です。この賛歌の旋律は国家に次ぐ愛国歌として親しまれていますが、後にキリスト教の讃美歌にも取り上げられることになりました。

 

 

2021/2/7

No.41 賛美歌シリーズ26

H.パーセル 神よ、汝はわが神なり Z.35 より

O God, thou art my God

チェロ四重奏(古楽器)

(賛美歌2篇111番「岩なる主イエスよ」)

 

H.パーセル(1659-1695)はバロック時代で最もよく知られるイギリスの作曲家です。イギリスではキリスト教はローマ・カトリックでもプロテスタントでもない、イギリス独自のイングランド国教会と呼ばれる宗派です。日本では英国聖公会と呼ばれています。この合唱曲「神よ、汝はわが神なり」はアンセム(anthem)と呼ばれるイギリス国教会の朝や夕方の礼拝で英語で歌われる合唱曲です。プロテスタントの会衆が歌う賛美歌より高度な作りで、聖歌隊などによって歌われていました。今回は曲の途中部分から録音していますが、後半のテンポが変わる部分から日本語の歌詞が付けられ「岩なる主イエスよ」という賛美歌となっています。

 


2021年1月アップの録音

2021/1/31

No.40 賛美歌シリーズ25

アイルランド民謡 ロンドンデリーの歌

チェロ五重奏(古楽器)

賛美歌2篇157「この世のなみかぜさわぎ」

賛美歌2篇229「たのしき学びの園より」

 

ロンドンデリーの歌はイギリス領である北アイルランド国では国歌として扱われているほど有名な民謡です。ロンドンデリーというのは県名のことで、アルスター地方にある6つの県の1つがロンドンデリー県です。ちなみにデリーというのはオークの木のことだそうです。この地方に住んでいた女性音楽家ジェイン・ロスにより採譜されて知られるようになったメロディーです。様々な歌詞で歌われるようになったこのメロディーですが、ダニー・ボーイという歌詞で歌われたものがとても有名になりました。賛美歌としては”I cannot tell”という歌詞が付けられましたが、日本では賛美歌の2篇に「この世のなみかぜさわぎ」という版と「たのしき学びの園より」という2つの歌詞のバージョンが収められています。今回は賛美歌229番の中田羽後編曲を元に録音しました。

 


2021/1/24

No.39 賛美歌シリーズ24

東方正教会聖歌 みかみをたたえまつれ

チャイコフスキー 教会にて「子供のためのアルバム」より

チェロ四重奏

(賛美歌2篇225番)

中東、ギリシャ、東ヨーロッパで広がったキリスト教の諸派をまとめて東方正教会と呼びますが、ロシア正教会もその1つです。チャイコフスキー はいくつかのオリジナルの正教会聖歌も作曲しています。賛美歌2篇に収められているこの聖歌の編曲は、東方正教会の聖歌のメロディを使って作られたピアノ曲「子供のアルバム」作品39の第24曲「教会にて」だと思われます。チャイコフスキー の編曲はとても力強い強弱記号のフォルテを指定しており、今回はベースラインをオクターヴで重ねて強調することでダイナミックな演奏にしています。

 

2021/1/17

No.38 賛美歌シリーズ23

G.ホルスト わびしき真冬に(In the bleak midwinter)

チェロ四重奏[Arr M.Fine]

(賛美歌468「木枯らしの風」)

 

G.ホルストは20世紀初頭に活躍したイギリスを代表する作曲家ですが、組曲「惑星」の作曲者として世界中で名声を得ました。R.ヴォーン=ウィリアムスと同じくイングランド地方の民謡に関心を持ち作品に取り入れています。また宗教曲などの合唱曲も数多く書き残しています。この「わびしき真冬に」は、イギリスの女流詩人クリスティーナ・ロセッティの詩”In the bleak mid-winter”に曲を付けて賛歌として書かれました。イギリスではクリスマスのキャロルとして歌われています。

 


2021/1/10

No.37 賛美歌シリーズ22

R.ヴォーン=ウィリアムス King’s Weston( At the Name of Jesus)

チェロ四重奏

(賛美歌2編13番「イエスのみ名に」)

 

 

R.ヴォーン=ウィリアムスは20世紀初頭に活躍したイギリスの作曲家です。交響曲や室内楽、教会音楽など多くの作品を残しました。またイングランド地方に伝わる民謡やキャロルを研究し、自らの編曲などで作品に取り入れることでその音楽を後世に残そうとしました。このKing’s Westonも民謡調の素朴な旋律で、しみじみと心に滲み入るような雰囲気を持っています。C.M.ノエルというイギリスの賛美歌作家の「At the Name of Jesus」というの歌詞に付けられて作曲されました。

 

2021/1/3

No.36 賛美歌シリーズ21

F.シューベルト ドイツ・ミサ D.872 より 

第2曲 栄光、かみにあれ 第5曲 聖なるかな

チェロ四重奏

(賛美歌 第2編 233、236番)

 

F.シューベルトはラテン語によるオーケストラ付きのミサ曲も作曲していますが、このドイツ・ミサはJ.Ph.ノイマンのドイツ語の歌詞にシューベルトが曲をつけました。ミサ曲といってもスタイルは9曲から成る賛美歌集となっており、シンプルな4声部の混声合唱とオルガンのために書かれています。教会賛美歌集には第2篇の232~240番まで全曲が収められています。今回選んだ2曲のうち第5曲「聖なるかな」は第1篇の546番に讃詠として使われており教会では礼拝の最後にとてもよく歌われる賛美歌です。

 


2020年12月アップの録音

2020/12/27

No.35  賛美歌シリーズ20

L.ベートーヴェン  交響曲 第9番 第4楽章 歓喜の歌

チェロ四重奏 (Arr.R.Dejardin)

(賛美歌158番「あめには御使い 喜び歌え」の原曲)

 

今年最後の聖日に取り上げたのは、誰もが年末に一度は耳にする名曲「第九」の歓喜の歌です。今年はベートーヴェン生誕250年記念のイヤー、世界中で第九の演奏会が予定されていながらも、コロナ禍でその多くが中止になってしまったことでしょう。この記念の年に、人々が共に集い声を合わせることを控えなければならない時代がやって来るとは誰も想像もしていませんでした。ベートーヴェン は「ミサ・ソレムニス」などの宗教曲の傑作も作曲していますが、この曲は交響曲に合唱が入るという当時では斬新な手法で書かれ、歌詞もキリスト教の宗教的な意味を含まないシラーの詩で人類愛が歌われます。ですが後にアメリカの詩人ヘンリー・ヴァン・ダイクにより、このメロディーに別の歌詞がつけられ讃美歌・聖歌『ジョイフルジョイフル Joyful, Joyful We Adore Thee』として愛唱されています。この歌詞は日本では『天には御使い』『喜びたたえよ』などのタイトルに訳されています。今回は原曲に近いR.Dejardinによるチェロ四重奏版の編曲で録音しました。

 

2020/12/20 クリスマス聖日

No.34 賛美歌シリーズ19

フランスのカロル「あら野の果てに」〜ウェールズのカロル「ひいらかざろう」

ェロ五重奏、四重奏 

[賛美歌106番、2篇(古楽器)129番]

 

アドヴェント3週目に引き続きヨーロッパのカロルを2曲を取り上げました。「あら野の果てに」は近世(18世紀頃)フランスのノエルです。(原題は”Les Anges dan nos Campagnes”) クリスマスの賛美歌としては日本でもとても人気のある1曲です。曲の後半の繰り返しの「グロリヤ・インエクセルシスデオ」(いと高きところには栄光、神にあれ)の部分は、邦訳でもラテン語のままで歌われます。グロリヤの歌詞のところで引き延ばされる音型が美しく印象的です。(今回はF.A. Gevaert 、D.Taupin編曲)

そして「ひいらぎかざろう」の方は、ウェールズ地方のカロルです。(原題は”Deck the hall with boughs of holly”)タイトルの”ひいらぎ”は”セイヨウヒイラギ”のことですが、英語ではChristmas hollyと呼ばれ、クリスマスツリーに飾られる代表的な植物です。トゲトゲの葉や赤い実のため別名では「キリストの刺(トゲ)」とも呼ばれています。歌詞では各行の後半で「ファララララ」と歌われ、楽しく明るいカロルです。


2020/12/13

No.33 賛美歌シリーズ18

18世紀のフランス・カロル「おうまれだ イエスさまが」

チェロ四重奏(古楽器)

[賛美歌2篇117番]

フランス語で「Il est ne, le divin Enfant」で始まるこの民謡は、フランスの子供たちなら誰でも知っているクリスマスの古歌です。日本語訳では「おうまれだ イエスさまが、笛ふけ太鼓を鳴らせよ、みんなで歌をうたおう」と歌われます。フランスでクリスマスの歌のことをノエルとも言います。賛美歌2篇には各国のクリスマスの歌は収められていますが、フランスの民謡由来のものはシンプルで親しみやすいものが沢山あります。今回は最後に弦楽器特有の奏法ピッツィカートという弦をはじく奏法を使って可愛らしく弾いてみました。古楽器に使われるガット弦の魅力が伝わると嬉しいです。

 

2020/12/6

No.32 賛美歌シリーズ17

イングランド民謡 グリーンスリーヴス

チェロ五重奏(古楽器)

[賛美歌2編216「みつかいうたいて]

グリーンスリーヴスはイングランド民謡の中でも最も世界中で親しまれている曲の1つです。イングランドではすでに17世紀頃には誰でも口ずさめる曲として知られていたようです。その後は各国でそれぞれの国の言葉の歌詞が付けられて歌い継がれているメロディーです。「みつかいうたいて」は、この民謡のメロディーにW.C.ディックスが歌詞を作詞したクリスマスのキャロルです。教団の賛美歌集ではT.FrederickとH.Candlynによって、歌と鍵盤楽器用に編曲されていますが今回はそれをチェロ五重奏にしています。


2020年11月アップの録音

 

2020/11/29

No.31  賛美歌シリーズ16

神の御子は今宵しも

J.F.ウェイド   アデステ・フィデレス             

チェロ四重奏(古楽器)

[賛美歌111番、2篇245番]

 

この曲の作曲者は諸説ありますが、イギリスの賛美歌作曲家ジョン・フランシス・ウェイドJohn Francis Wade (1711 – 1786) とされています。本来ラテン語の歌詞が付けられていますが、作詞者も正確には不明です。Adeste fideles,laeti triumphantesと続く歌詞は日本語で「神の御子は今宵しもベツレヘムに生まれたもう」と訳され知られています。クリスマスの賛美歌としては世界中で歌われる最も人気の高い曲の1つで、セリーヌ・ディオン、マライヤ・キャリー、エンヤなどの超一流の海外の有名ポップス・アーティストもこぞってカヴァーバージョンを出しています。たいていのクリスマス・アルバムには収録され、そのためO Come, All Ye Faithfulという英語訳で歌われることが多い曲です。


2020/11/22  

No.30  J.S.バッハ サラバンド  フランス組曲 第2番  BWV813より  

チェロ四重奏  [Arr T.Takamure]

 

 

 

久しぶりに賛美歌シリーズ以外の曲を選びました。7月12日にアップされたNo.11の音源以来のバッハのフランス組曲です。前回は第1番のサラバンド でしたが、今回は第2番のサラバンドです。6つのフランス組曲には、それぞれ6~8曲の舞曲が入っていますがサラバンド は全ての組曲に納められています。サラバンド という舞曲は、もともとバロック時代にスペインでもてはやされ、フランスに伝わるとテンポが遅い格調の高い舞曲として踊られたようです。バッハも3拍子のゆったりとした舞曲として組曲の真ん中あたりにこの舞曲を配置しています。牧師先生は季節を一気に冬の雪原のイメージで映像をつけてくださいましたが、物悲しい音楽と風景がとても合っています。

 

2020/11/15

No.29 賛美歌シリーズ15

ノルウェー民謡「大きな白い群」(The Great White Host)

E.グリーク 「男性合唱のためのアルバム」より 第10曲

チェロ五重奏

(賛美歌481「栄にかがやく みくらをめぐりて」)

このノルウェー民謡「大きな白い群」(原題はThe Great White Host、ノルウェー語ではDen store, hvide Flok. )は、ノルウェーの大作曲家E.グリーグが無伴奏合唱用に編曲した「男性合唱のためのアルバム Op.30」の第10曲に収録されています。 母国ノルウェーの民族的な要素の強い民謡や舞曲などを自らの音楽に取り入れて作品を書いたグリーグ ですが、このアルバムでは12曲のノルウェー民謡をシンプルに独唱と4声の合唱の編成としてまとめています。この「大きな白い群」は独唱のバリトンと男性合唱で書かれてますので、低い音域のチェロの重奏に向いていると思いました。永遠に滅びない生命=永生を歌ったこの賛美歌の歌詞によりますと”白衣の聖徒”とありますので、「大きな白い群」は白い衣装の信者の群衆たちのことでしょうか。様々な国の色々な音楽が賛美歌になっていると驚かされます。

 


2020/11/8

No.28 賛美歌シリーズ14

J.S.バッハ カンタータ「心と口と行いと生活で」BWV147 より 

第10曲 コラール「主よ、人の望みの喜びよ」

チェロ七重奏(バロック・チェロ )[Arr. T.Takamure ]

(賛美歌2篇 228 「こころに主イエスを」の原曲)

J.S.バッハのカンタータの中で最も有名で広く愛されているコラールです。この曲だけが有名となってますが、本来は「マリアのエリザベト訪問の祝日」という聖日のために書かれた全10曲から成る2部構成の規模の大きなカンタータ「心と口と行いと生活で」の最後を飾る曲です。第10曲は日本語でタイトルで「主よ、人の望みの喜びよ」で知られていますが、これは英訳名"Jesus, Joy of Man's Desiring”から日本語に訳されたためのようです。

現代では様々な楽器とアレンジで演奏されますが、M.ヘスのピアノ独奏の編曲によって広く演奏されるようになったそうです。今回はチェロの6声部のアレンジにしてますが、原曲のオーケストラのヴァイオリンのパート(3連音符のオブリガートの音形)を、複数人数で演奏されているように聴こえるように同じパートを何回か弾いて重ね録音してます。

 

2020/11/1

No.27 賛美歌シリーズ⑬

スコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」[蛍の光]

チェロ六重奏[Arr.J.Holbrooke - T.Takamure] 

(賛美歌370番「めさめよ、わが霊」)

 

 

日本では”蛍の光"として誰もが知っているこの曲の原曲はスコットランド民謡”Auld lang syne”です。この民謡は明治時代には日本に紹介され「小学唱歌集」に取り入れました。この小学唱歌集は日本での西洋音楽教育の始まりの頃に編纂された歌集ですが、この中から日本語で歌う賛美歌に数多くの曲が取り入れられました。最初に賛美歌として使われたときはクリスマス用の歌詞が付けられて歌われていたそうです。でもどちらかというと日本人にとってこの曲は卒業式や施設の閉館など、別れや終わりを感じさせる音楽ですよね。牧師先生は季節の終わりを感じる紅葉の美しい映像を選んでくださいました。

 


2020年10月アップの録音

 

2020/10/25

No.26 賛美歌シリーズ⑫

J.ハイドン 弦楽四重奏曲「皇帝」作品76-3

第2楽章 Poco Adagio (Cantabile) より

チェロ四重奏[Arr.T.Takamure]

(賛美歌194 「さかえにみちたる かみのみやこは)

ヨーゼフ・ハイドンは古典派の基礎を作った偉大な作曲家ですが、”交響曲の父”と呼ばれるだけでなく”弦楽四重奏曲の父”とされています。作曲した80曲以上もの弦楽四重奏曲の中で、もっとも愛されているのが「皇帝」というニックネームが付けられた曲です。その名前の由来となった第2楽章の変奏曲の主題は、シンプルながらとても印象的なメロディーです。このメロディーはもともとハイドンが作曲した”オーストリア皇帝讃歌”と呼ばれている歌で、当時の神聖ローマ皇帝フランツ2世に捧げられました。後にこの弦楽四重奏曲の主題に取り入れたことで名曲として残ることになりました。このメロディーは賛美歌に転用されているだけでなく、現在のドイツの国歌にもなっています。

 

2020/10/18

No.25 賛美歌シリーズ⑪

賛美歌320番「主よ、みもとに近づかん」

作曲 ローウェル・メイスン  Nearer,my God to Tree

チェロ四重奏[Arr. J.Knuth - T.Takamure]

 

キリスト教徒の多いアメリカで作られた賛美歌は数多くありますが、現行賛美歌で多くの作品や編曲が採用されている大物といえばローエル・メイスンです。彼の賛美歌の中で世界中で愛されているのが「主よ、みもとに近づかん」です。日本でもこの曲は明治時代頃から知られ「鶯告春」というタイトルで中等教育唱歌として歌われました。アメリカでは1912年のタイタニック号沈没の際に、救命ボートに乗れなかった人々がこの賛美歌を静かに唱和したというエピソードが有名で、1997年のデカプリオ主演の映画「タイタニック」の中でも、残された音楽家たちがこのメロディーを演奏しているシーンが印象的でした。さらに面白いことに、このエピソードは事故当時に日本で新聞で紹介されたらしく、それを読んで知ったあの宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」の中で作品に取り入れています。古くから日本でも縁のあった賛美歌の1つなのですね。

 


2020/10/11

No.24 賛美歌シリーズ⑩

J.S.バッハ カンタータ「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」BWV140より 

第4曲 コラール「シオンは物見らの歌うのを聞けり」

チェロ五重奏(バロック・チェロ )[Arr. T.Takamure ]

(賛美歌174 「起きよ、夜は明けぬ」原曲: F・ニコライのコラール) 

先週に引き続きJ.S.バッハの名曲をもう1曲選びました。バッハの多くのカンタータの中でも特によく知られ演奏されているコラールが入ったカンタータBWV140です。今回選んだ第4曲のコラール「シオンは物見らの歌うのを聞けり」に使われているコラール旋律は、前回8/9にアップしたコラールの原曲「たえにうるわし」と同じ作曲者、ドイツの小さな街の牧師フィリップ・ニコライです。このニコライの書いた2つのコラールはドイツのルター派の賛美歌の中でも珠玉のコラールと言われています。前回のコラールと同じようにニコライはこの曲をペストの災害の中作りました。街の3割の住民が疫病で亡くなる悲しみの中で書かれたと思えない明るく元気で力強さを感じるコラールです。

バッハのカンタータではこのコラール旋律はテノールで歌われ、オブリガートの旋律は複数のヴァイオリン とヴィオラでユニゾンで演奏されます。そこで今回はアレンジでは、そのオブリガートのパートを3回チェロで演奏して重ねて録音してます。同じ旋律を3回弾いても微妙にピッタリといかないものです。一見揃ってない?と聴こえるかもしれませんが、ユニゾンの雰囲気を出すためにわざと挑戦してみました。

 

2020/10/4

No.23  賛美歌シリーズ⑨

J.S.バッハ モテット「イエス、私の喜びよ」BWV227 より

第1曲 コラール「イエス、私の喜びよ」

第7曲 コラール「おやすみなさい、ああ この世に存在するものよ」

チェロ四重奏(バロック・チェロ )[Arr. T.Takamure ]

(賛美歌2篇 93 「わがよろこび」原曲:J.クリューガー)

10月最初の選曲は再びJ.S.バッハの名曲です。バッハの6曲のモテットは名曲が揃っていて、様々な合唱団によって演奏されています。モテット「イエス、私の喜びよ」の全曲の要になっているのが「わがよろこび」というコラールです。バッハは多くのカンタータや受難曲などコラールを取り入れた曲を作曲していますが、実はその多くが当時よく知られていた他の作曲家のコラールの編曲なんですね。この曲で取り上げたコラールは、バッハが好んでいたコラール作曲家の1人でJ.クリューガーのものです。彼はこの当時の最も重要とされたドイツ・ルター派の賛美歌集を編纂しています。今回はこのモテットの中から、現代教会賛美歌集にも入っている1曲目のコラールと第7曲を取り上げました。第7曲はバスの音域がない4声の美しい曲の中に、アルトによって「わがよろこび」のコラール旋律が歌われます。

映像は美しい田舎の水車小屋の風景写真が使われています。

 


2020年9月アップの録音

2020/9/27

No.22 賛美歌シリーズ⑧

メンデルスゾーン オラトリオ「エリア」より

第2部 第31曲  天使のアリア

「汝、主のみ前に口をつぐみ忍びて、主を待ち望め」 

チェロ四重奏 [Arr. B.Freistedt-T.Takamure]

(賛美歌2編208「主のまえに黙して耐え」)

 

メンデルスゾーンのオラトリオでは「パウロ」より有名で知られているのが「エリア」です。

亡くなる前年37歳で書かれ、生涯をかけた大傑作となりました。旧約聖書に登場する預言者エリアの活躍を描き、独唱と合唱で構成された大作です。その第2部で登場する天使のアリアですが、低目の音域のアルト独唱を歌われるアリアです。このアリアは、No.21のパウロのアリオーソと並んで教会賛美歌の2編に「主の前に黙えして耐え」というタイトルで(原恵さんの編纂)ほぼ原曲のまま収録されています。残念ながらこのような4声のコラールでない曲は、教会であまり取り上げられることがありません。でもこのような触れられない名曲が実は賛美歌には結構入っていて、今回取り上げてみました。日本語での歌詞を訳しながら作った方は大変だったことと思います。牧師先生の映像は深い紅葉の風景が選ばれ美しいこの曲にピッタリでした。

 

 2020/9/20

No.21 賛美歌シリーズ⑦

メンデルスゾーン オラトリオ「パウロ」Op.36 より

第1部 第13曲 アリオーソ「しかし主は御自分の者たちをお忘れにならず」

チェロ五重奏 [Arr.Best - T.Takamure]

(賛美歌2編 209「み民を 主はかえりみ」)

 

この礼拝のための音源作りも20曲を超えました。今回チェロの録音では初めてメンデルスゾーンを取り上げました。メンデルスゾーンはわずか20歳でJ.S.バッハの「マタイ受難曲」を蘇演したほどバッハに傾倒していましたが、その「マタイ受難曲」に影響を受けて作曲したオラトリオが「パウロ」です。この曲は、その中のアルト独唱のアリオーソですが、ほぼ原曲のまま日本語の歌詞が付けられ賛美歌集に入っています。低めの音域で歌われるのでソロパートはチェロにも合いましたが、他のパートは伴奏的な音型ですので、重ねて録音する場合は縦のラインを合わせるのが難しかったです。映像は一気に季節が変わり、秋の紅葉の時期の風景を選んでいただけました。


2020/9/13

No.20 フォーレ イン・パラディスム(楽園へ)

「レクイエム」Op.48 より 

チェロ六重奏 [Arr A.Brunet - T.Takamure]

 

 

5/24にアップされた”ピエ・イェズ”以来、久しぶりにフォーレの「レクイエム」から選びました。この”イン・パラディスム”は最終曲なのですが、天使たちが天の楽園(天国)へ導きますように、と歌われています。たいてい天使のような歌声は声域ではソプラノと決まっていて、この原曲もメロディだけでなく全体が高い音域で書かれている曲です。それをあえてチェロ・アンサンブルという中低音域で演奏していますので、ちょっと変わったサウンドになっています。フォーレはレクイエムをなかなか先例のない静謐で透明感のある宗教曲として作曲しましたが、その中でもこの最終曲は本当に地上の音楽とは思えない軽さと透き通る和音で構成された名曲だと思います。選んでくださった森の中の光が差してくる画像がぴったりで素晴らしかったです。

 

2020/9/6

No.19  賛美歌シリーズ⑥

G.F.ヘンデル オラトリオ「メサイア」より

第3部 第1曲 アリア「わたしは知る、わたしをあがなう者は生きておられる」

チェロ六重奏(バロック・チェロ )[Arr. S.Adams-T.Takamure ]

 (賛美歌2篇 55番 「 主イエスは死に勝ち」の原曲) 

ヘンデルの「メサイア」のアリアを金管六重奏に編曲したS.Adamsのアレンジからチェロ六重奏曲にしました。このアリアは有名なハレルヤ・コーラスによって締めくくられる第2部が終わった後に、休憩などを挟んでソプラノ独唱で演奏される第3部の最初の曲です。今回はアリアの中間部はカットしていますが、最初の旋律が賛美歌になっています。オリジナルのシンプルな作りより、厚みのある和声感で編曲されていてチェロアンサンブルにもマッチしたなあと思っています。このような声楽の独唱曲の場合、歌の旋律を低く下げている分、他の声部に埋もれてしまわないようにバランスを取るのが難しい点です。

 森を散策しているような映像をつけてもらえました。湖畔の湖の写真が美しいです。

 

 


 

2020年8月アップの録音

 

2020/8/30

No.18  賛美歌シリーズ⑤

J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集 第2巻より

第9番のフーガ BWV878 [Arr T.Takamure]

チェロ四重奏(バロック・チェロ使用) 

(賛美歌177 「かみのいきよ、われをいやし」の原曲) 

 

バッハの鍵盤作品の中から少々難解な曲を選んでみました。このフーガの主題が賛美歌になっているからです。最初に賛美歌177を演奏していますので比較して聴いて見て下さい。チェロ・アンサンブルの録音の中では、これまでの中で最も難しい曲でした。4声部で書かれていますが、バッハの対位法はとても複雑に声部が絡んでいるので、どこを強調させるかなどバランスが大変でした。バッハの偉大さをまた一つ知ることが出来ました。

 

2020/8/23

No.17  賛美歌シリーズ④

G.F.ヘンデル  サラバンド 組曲 第2巻 第4番 HMV437 より

チェロ四重奏(バロック・チェロ使用) [Arr T.Takamure]

 (賛美歌 第2篇 231番  「 罪、とが、不義、悪」の原曲)

 

 

ヘンデル の「ハープシコードのための組曲」よりサラバンド を選びました。ヘンデル の鍵盤楽器のための曲は300曲近くあるそうですが、この曲はピアノの小品としても出版され通称「ヘンデル のサラバンド」とも呼ばれています。様々な楽器でも編曲され演奏されていますが、弦楽オーケストラで演奏される編曲は素晴らしく、S.キューブリックの映画で音楽として使われたことで有名になりました。一度聴くと忘れられない悲しみを誘う独特の雰囲気を持っており、ヘンデル の名曲として親しまれています。

 


2020/8/16

No.16  賛美歌シリーズ③

G.F.ヘンデル 「メサイア」より

第1部 第20曲 アリア「主は羊飼いのようにその群れを養い…」 

チェロ五重奏(バロック・チェロ使用)  [Arr T.Takamure]

(賛美歌2篇 56番「主はその群れを」の原曲)

 

ヘンデルのオラトリオ「メサイア」は名曲の宝庫ですが、今回はその中からアリアを選びました。原曲はソプラノまたはアルトがオーケストラ伴奏で歌われるアリアですが、低い音域での五重奏になることでソロパートがオケの声部と絡むのを楽しめるよう録音しました。牧師先生がつけてくださった映像には、ちょっとしたストーリーが隠されているそうです。

 

 2020/8/9

No.15  賛美歌シリーズ②

J.S.バッハ カンタータ「暁の星はいと麗しきかな」BWV 1

より 第6曲  コラール

チェロ五重奏(バロック・チェロ使用) [Arr T.Takamure]

(賛美歌346 「たえにうるわし、ヤコブより出し」 原曲はF.ニコライ)

 

16世紀ドイツの小さな街の牧師フィリップ・ニコライは、街の3割以上の市民がペストの流行で亡くなるという死を目の前にしながら、明日への希望に溢れた歌詞のコラール「暁の星はいと麗しかな」を作りました。J.S.バッハはこのコラールをベースにカンタータを作曲しました。

世界で流行しているコロナ・ウィルス感染症で亡くなられた多くの方々の追悼の気持ちを込めて・・・・。

 


 

 2020/8/2

No.14  賛美歌シリーズ①

G.F.ヘンデル  オラトリオ「 ユダス・マカベウス」より

第3部 第58曲 合唱「見よ勇者は帰る」

チェロ四重奏(バロック・チェロ使用) [Arr T.Takamure]

(賛美歌130 「よろこべや、たたえよや」の原曲)

 

日本キリスト教団の賛美歌にある曲の原曲を取り上げました。有名なクラシックの曲が沢山賛美歌になっています。牧師先生は夏のひまわりのイメージで映像をつけてくださいました。明るいサウンドで前奏に採用されました。


 

2020年7月アップの録音

 

 

2020/7/26

No.13  G.F.ヘンデル 第1部 オラトリオ「メサイア」より

 第13曲  Pifa - 田園交響曲  Pastoral Symphony

バロック・チェロ(古楽器)によるチェロ三重奏 [Arr T.Takamure]

明るい曲をというリクエストに答えて選んでみたら、今回は久しぶりに礼拝の前奏に採用されました。田園の田舎の雰囲気とガット弦が合うと思ったので、楽器はバロック・チェロを使ってみました。爽やかで素朴なサウンドに仕上がりました。

 

2020/7/20

No.12  A.ブルックナー アヴェ・マリア WAB7

チェロ五重奏(多重録音) [Arr  T.Takamure]

 

とても珍しいブルックナーの宗教曲に取り組んでみました。オリジナルは独唱とオルガンのための曲ですが、チェロアンサンブルにすることで合唱曲のように和音を重視しています。牧師先生は森や山のイメージで映像をつけてくださいました。


 

 2020.7.13

5月から始めた録音回数も10回目となり、少し慣れてきました。礼拝の前後に黙想しながら聴くという音楽ですので、中低音域のチェロの重奏を多重録音するのが合うのかなあと思っています。特にテンポのゆっくりした響きの落ち着いた曲を探して選んでいます。今後は合唱曲や鍵盤曲からも自ら編曲して見ることにしました。プロテスタントの教会ですのでバッハをメインに様々な曲を取り上げています。

 

 

 

  2020/7/12

No.11   J.S.バッハ サラバンド  フランス組曲 第1番 BWV812より  

チェロ四重奏 (多重録音) [Arr  T.Takamure]

J.S.バッハの鍵盤曲の中からフランス組曲のサラバンド を選びました。調性は原調ですが、中低音域の落ち着いた響きにするために上声部を下げて編曲してあります。礼拝の最後に、コロナウィルスにより全世界で亡くなられた多くの方への追悼の気持ちを込めて・・・

 2020.7.5

No.10  モーツァルト アヴェヴェルム コルプス

チェロ四重奏(多重録音)


 

2020年6月アップの録音

 

2020/6/27

No.9  C.フランク  アヴェ・マリア C.Franck Ave Maria  FWV62  チェロ四重奏 (多重録音)  [Arr T.Takamure] 

原曲はフランクが作曲した混声4部とオルガンのための曲です。チェロの中音域の響きで落ち着いた感じになるよう上声部を下げて編曲してあります。

 

 

このコロナ禍の中、新しい試みとして音楽の録音をして音源を提供するWorkを始めました。

2020.5月からの日本キリスト教団高幡教会の紹介動画や礼拝の前奏、後奏などに音源を使ってもらってます。

レッスン室は機材を設置して録音スタジオに変身しました。

毎週日曜日のオンライン礼拝に合わせて新しい音楽をお届けしています。

2020.6.3

 


 

2020/6/21

No.8  J.S.バッハ サラバンド フランス風序曲 BWV831 より 

チェロ四重奏 (多重録音)  

 

 2020/6/14

No.7 J.S.バッハ G線上のアリア 

チェロ四重奏(多重録音) 


 

2020/6/7

No.6  セザール・フランク

天使の糧(パン) Panis angelicus 

多重録音 チェロ二重奏 ピアノ:蓼沼明子 


 

2020年5月アップの録音

 

 

2020.5.31

No.5  ヘンデル 私を泣かせてください

G.F.Handel Lascia ch'io pianga 

チェロ四重奏(多重録音)

 

2020.5.24

No.3  フォーレ ピエ・イェズ レクイエムより

G.Faure Pie Jesu  from Requiem Op.48

ピアノ 蓼沼明子


2020.5.17

No.2  ヘンデル オンブラ・マイ・フ

G.F.Handel Ombra mai fu

チェロ四重奏(多重録音)

2020.5.17

No.1  モーツァルト アヴェヴェルム コルプス

W.A.Mozart Ave Verum Corpus

ピアノ:蓼沼明子